住まいの無料相談室

Q. 鉄筋ビルの耐久性と活用方法

2010/08/22#2 NM 様 (西日本エリア)

完成後
建物の老朽化
全体
注文住宅

基本的に鉄筋コンクリートのビルの耐久性は何年くらいでしょうか。父の他界により、築約30年の鉄筋3階建ビル(敷地100建坪50坪くらい。JR●●線各駅停車しか止まらない駅から徒歩1〜2分)を相続するか迷っています。ビルの内装を少し変更し、各階を開業医に貸すか、ビルを壊し、駐車場(12台くらい)として使用するかを迷っています。ビルを管理している不動産屋は内装変更を勧めますが、経過年数を考えると迷います。もともと祖父の自宅兼医院だったので、階段は屋内の非常階段に直接2重扉の出入り口、トイレは設置されていますが、25年ほど放置しています。ビルには見たところ雨漏りなどの問題はありません。内装変更は簡単にして(約800万くらいでできる)、借主にリフォームを頼む契約にするとよい。壊すのであれば1000万円かかると言われました。有効に活用したいのですが、どのようにすればよいでしょうか。また、相続は、母が一度相続し、有効に物件を変更したあと、母から生前贈与として受ける方がよいでしょうか。ご教授願います。
1:鉄筋ビルの耐久年数
2:鉄筋ビルの有効活用法(内装変更OR解体など)
3:鉄筋ビルの内装変更料金の相場、変更方法(各階を医院に賃貸、1と2階を医院に賃貸、3階を住居など)
4:鉄筋ビルの解体費用の相場
5:相続の仕方

> 基本的に鉄筋コンクリートのビルの耐久性は何年くらいでしょうか。

一般的には鉄筋コンクリートは100年以上の耐久はありますが、これは鉄筋コンクリートそのものの耐久性でして、建物となりますと構造的な評価を入れての検討となります。

書いて字のごとく「鉄筋」と「コンクリート」とが力学的にうまくバランスして耐久性能を増すように考えられたものが「鉄筋コンクリート」です。

雨風に強く、大地震にも強く、風害や塩害にも火災にも強いというある意味オールマイティーな建物が鉄筋コンクリートですが、上記の「鉄筋」と「コンクリート」のバランスがこの強さを決めています。

両者のバランスについては以前から議論がありましたが、将来発生しうる大規模地震を想定したところこれまでの構造計算や工事内容では補えない地震力が働くことが判明し、昭和56年にこれに対抗するための構造的解決策を法規制として定めました。
したがいまして、昭和56年以前の建物と昭和57年以降の建物かでは耐震設計の要求の考え方がまるで違うことから、昭和56年以前の建物は耐震的には弱いとされることが多いと予測されることとなりました。
そこで、現在では昭和56年以前の建物は「新耐震」による構造的な耐震診断を実施して、耐震強度不足であれば耐震改修を実施するように推奨されております。政府も耐震改修の助成金を各地方自治体を経由して出すようになりました。

> 父の他界により、築約30年の鉄筋3階建ビル(敷地100建坪
> 50坪くらい。JR●●線各駅停車しか止まらない駅から徒歩1〜
> 2分)を相続するか迷っています。ビルの内装を少し変更し、各階
> を開業医に貸すか、ビルを壊し、駐車場(12台くらい)として使
> 用するかを迷っています。ビルを管理している不動産屋は内装変更
> を勧めますが、経過年数を考えると迷います。もともと祖父の自宅
> 兼医院だったので、階段は屋内の非常階段に直接2重扉の出入り口
> 、トイレは設置されていますが、25年ほど放置しています。ビル
> には見たところ雨漏りなどの問題はありません。内装変更は簡単に
> して(約800万くらいでできる)、借主にリフォームを頼む契約
> にするとよい。壊すのであれば1000万円かかると言われました
> 。有効に活用したいのですが、どのようにすればよいでしょうか。
> また、相続は、母が一度相続し、有効に物件を変更したあと、母か
> ら生前贈与として受ける方がよいでしょうか。ご教授願います。

> 1:鉄筋ビルの耐久年数

築30年ですと昭和55年か昭和56年に竣工した建物ですから、上記回答のごとく、「新耐震基準以前」の可能性が濃厚ですから、おそらく耐震改修が必要と考えられます。
耐久年数についての回答は耐震改修を行うことを前提とすれば今後30年以上は耐久はできると思いますが、耐震要素としてのブレース(柱と柱の間に入るバッテン(X字状)とかV字状の構造材)が入るため、空間機能としては使い勝手は半減する可能性が多大です。

> 2:鉄筋ビルの有効活用法(内装変更OR解体など)

基礎や建物本体の形状にもよりますが、最近流行しているのはリノベーションです。
構造的に軽くしてあげたりすることで骨組みにかかる力学的な負担が軽減できるので耐震的に有利になるケースもありますので一部解体や一部補強などすることで有効活用できる可能性はあります。
内装変更はリフォームという領域でして、100%のリフォーム(内装変更)を行っても現行の法律には「不適格」となる建物となります。が、リノベーションは現行の法律照らして設計から行っていきますので「建物が蘇る(甦生する・生き返る)」ことになります。

> 3:鉄筋ビルの内装変更料金の相場、変更方法(各階を医院に賃貸
> 、1と2階を医院に賃貸、3階を住居など)

基本的には貸ビルはスケルトン(コンクリートむき出しの状態)で貸し出すのが一般的ですが、電気・ガス・給排水・電話・ネット・有線放送・TV・空調室外機置場などのライフラインなどの1次側のインフラ整備はオーナー側の扱いとなります。この考え方(設置位置などを考えること)がとても難しいです。
不動産屋さんが言われる「借主にリフォームを頼む」のは当然ですが、外装(屋上含む)整備やインフラ整備はオーナーの必然要件です。これらまで借主に任せるとそのビルは滅茶苦茶になります。

内装変更はピン・キリです。どこまで内装変更しようというのかが決まりませんと金額的な回答はできません。図面と現場の実情がわかればある程度詳細な回答はできると思います。
エレベータを増築することも可能かもしれませんね。その場合は他のテナント候補の考え方もできます。
もちろん住居系も可能かもしれません。
なるべく健全なテナントで高い賃料をいただける業態がよろしいと思います。
不動産屋さんにはまだ内緒にしておきたいところでは、「駅前保育園」というのはどうでしょうか。時勢柄かなり借り手はおります。保育園の経験はありますので上記のライフライン設定なども可能です。お尋ねください。

> 4:鉄筋ビルの解体費用の相場

上述しましたが地上に見える建物の解体費用はおおむね600万円程度でしょう。
ただし、地中に隠れている基礎や杭の貫入状況や建物内にアスベストの含有物があるか否かによっては金額が上がります。
不動産屋さんの1000万円は高いと思いますが・・・。

> 5:相続の仕方

相続に関しては私よりはファイナンシャルプランナーか税理士が的確かと思います。

建物については上記ですが父上がどのような財産(預貯金や有価証券などまで)や借金を所有されていたのかを計算し、また、お母上やその子供(ご相談者?)がどのような財産(預貯金や有価証券などまで)や借金をお持ちなのかを計算した上でアドバイスできるものですので一筋ではいきません。

恐縮ながらこの部分は私には回答が難しいです。

ただ、基本的にはお母上は今後の借金は厳しいでしょうからご相談者が借金をして改修などを行うことになると予測しますので、このあたりが実行可能かどうかで今後の方針は決まると思います。

さて、総括となりますが、更地化して駐車場にすることは一般的ですが将来的には「建てるか」、「売るか」を迫られます。

専門的な見方となりますが、時期的にはリノベーション改修(耐震改修も含める)を行って、6年〜10年程度で投資金を回収して、以降は収益を得ながら建替え時期をじっくり検討することがよろしいと思います。

図面と写真などの画像をお送りいただければより細かな回答ができるかと思います。

よろしければ引き続きご相談ください。